フィルムカメラ。
デジタルカメラから写真を撮るようになった人がいつかはチャレンジしたくなるものだと思います。私もいつかはフィルムカメラで写真を撮りたいと思いながらも、フィルムカメラになかなか挑戦できなかった1人です。
操作が難しい、カメラなどの機材が高価というイメージが大きくありました。
昭和レトロという言葉とともに『写ルンです』が流行っているとテレビで見かけます。もちろん、私も『写ルンです』を愛用しています。『写ルンです』からステップアップしたい、またはフィルム一眼レフを初めてみたいと言う方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな『写ルンです』のように気軽にはじめることができる、CANONの一眼レフでのフィルムカメラのはじめ方を紹介します。
そもそもなんでCANONなの?
私が思っていたフィルムカメラのイメージは
- 操作が難しい
- 機材が高額
というものが大きくありました。その結果、今まで通りデジタルカメラでいいや、となってしまいました。
操作が簡単で値段が安いカメラ、それがCANONのフィルムカメラです。
操作が簡単
操作が簡単。
つまり、使用している現代のデジタルカメラのような操作感でフィルムカメラを使用できれば気軽にフィルムカメラを使用できると思います。
ポイントとなるのはCANONのEFマウントです。
CANONのデジタル一眼レフで使用されているEFマウントは1987年から現代まで使用させているレンズマウントです。
つまり、フィルムカメラの時代から変わらないレンズマウントとなります。もちろんオートフォーカスにも対応しています。ボタン配置も歴代のカメラで変わらない点も多くあります。現在、CANONのカメラを使用している方ならすぐに使いこなせると思います。
もちろん、CANONのフィルムカメラにもNew FDシリーズのようにマニュアルフォーカスのフィルムカメラもあります。今回はEFマウントのカメラを中心に紹介します。
機材が安い
フィルムカメラをはじめてもそんなに使用しないと思うし、そんな高いカメラは買えない。
そんな考えの方も多いと思います。
上記で紹介したようにすでにCANONのカメラを使用している方はEFマウントのレンズをそのまま使用できます。つまり、お手持ちのレンズを使用してフィルムカメラをはじめることが出来ます。
現行のレンズを使用すると解像感がいい写真が撮れますし、昔のレンズを使用すると雰囲気の良いクセのある写真を撮ることも出来ます。
CANONのカメラを使用していない方でも、新品のレンズは1万円程度から、中古の撒き餌レンズなら数千円で入手可能です。
CANONのデジタルカメラのエントリーモデルにKissがありますが、フィルムカメラにもKissが存在します。当時、多く出回っていたせいか、そのKissシリーズがオークションサイトでは1円から、リサイクルショップのジャンクコーナーでは300円という破格で売られていることがあります。
このように、CANONのカメラを使用している方なら数百円で、CANONのカメラを使用していなくても数千円からフィルム一眼レフカメラに挑戦することができます。
オススメしたいカメラ
値段や機能からぜひオススメしたいカメラを紹介します。私なりにポイントをまとめてみました。
CANON New EOS Kiss
良い点
- とにかく安い
- オートデート機能搭載
残念な点
- 電池がCR123A
- オートデート機能には別に電池が必要
- シャッタースピードが1/2000まで
おそらくリサイクルショップのジャンクコーナーで1番見かけることが多いのがこのカメラです。
ジャンクコーナーにあるにも関わらず、使い込んだ個体はとても少なく、運が良ければ美品の中古品に巡り合うこともあります。
私は500円で購入することができました。
今まで2台購入しましたがカビや大きな劣化などはなく動作も問題ありませんでした。
とても安いのにオートデート機能を搭載しています。
オートデート機能とは、写真の右下にオレンジ色で日付を入れた写真を撮れる機能です。フィルムカメラには2019年問題というものがあり、2020年から正しく日付が入らない機種がありました。このNew EOS Kissは2020年以降もオートデート機能が使用できる機種のようです。
オートフォーカスの測距点は3点です。できればもう少し多くてもいいですが、カメラに慣れた人であれば問題ないレベルです。
少し残念な点、1つ目が電池です。
使用電池はCR123Aです。フィルムカメラを使っている人には馴染みのある電池で、今でも家電量販店でもよく見かける電池ですが、気軽に使用するにはどこにでも売っている電池の方がいいと思いました。
また、オートデート機能を使用するには別にCR2025というボタン電池が必要になリます。説明書によると、新品の電池で約3年使用できるのでほぼ問題になることはないと思いますが、1種類の電池で運用できると嬉しいと思いました。実際に私も使用していない状況です。
2つ目がシャッタースピードです。
New EOS Kissはシャッタースピードが最速で1/2000です。
フィルムカメラのISO感度はフィルムを変えない限り一定です。晴天でISO感度をカバーするためにももう少し速いシャッタースピードがあれば嬉しいです。
残念な点については電池をまとめて購入しておくことや、シャッタースピードを1/2000までで撮影できる環境であれば全く問題にならない事です。
数百円で買えるカメラという事で許せます。
CANON Kiss 7
良い点
- フィルムKissの最新作
- 1種類の電池でオートデータ機能
- シャッタースピードが1/4000まで
残念な点
- 電池がCR2
- 視野率が90%
フィルムのKissシリーズの最後の機種がこのKiss 7です。
このカメラが発売されたのが2004年、デジタルカメラのKiss Digitalが発売されたのが2003年です。デジタルカメラが普及されてきた頃の発売ということで、機能面でもとても使いやすくなってます。
すでにデジタルカメラが出回っていた頃の発売ということで出回っている中古もとても少ないようです。値段も3,000円から10,000円程度と少し高価な物になっております。
私はフリマサイトで購入しましたが、出品されることも珍しいです。
オートフォーカスの測距点は7点です。おおよそ問題ない範囲をカバーしています。
Kiss7のシャッタースピードは1/4000が上限になります。さすが2000年代のフィルムカメラと言うことでエントリーモデルでもシャッタースピード1/4000での撮影が可能です。
現在のデジタルカメラのKissでもシャッタースピード1/4000までが標準になってます。
大きな背面液晶も付いてます。ここにもデジタルカメラの技術が活かされていると思います。オートデート機能も1種類の電池で利用可能です。
残念な点、1つ目はNew EOS Kiss同様に電池についてです。
使用電池はCR2が2本です。こちらも家電量販店で見かける電池ですが、やはりもう少し一般的に馴染みのある方がいいと思います。
2つ目は視野率です。
デジタルカメラのKissでも同様ですが、ファインダーが少し狭いのが気になりました。EOS Kiss7は90%となっており、少し余裕を持ったフレーミングが必要です。
残念な点についてはNew EOS Kiss同様に電池をまとめて購入しておくことで対応は可能です。また、視野率についてもカメラの操作が慣れてくれば問題ないレベルだと思います。
CANON EOS-1N DP
良い点
- フィルムカメラのフラッグシップモデル
- 単3電池で運用可能
- シャッタースピードが1/8000まで
- 視野率ほぼ100%
残念な点
- オートデート機能がない
- 1kgを超える重さ
CANONのフラッグシップモデルのEOS-1。その後継機がEOS-1Nです。
そしてCANON最後のフィルムカメラEOS-1Vへと続きます。
最後のフラッグシップフィルムカメラとなったEOS-1Vはまだ修理などのサポートも受けることが出来るということで中古での値段が高い状況です。
コストパフォーマンスという点から今回はEOS-1Nを紹介します。その中でも運用のしやすさを考慮してバッテリーパックBP-E1が付属したEOS-1N DPを紹介したいと思います。
EOS-1Nの発売は1994年で、EOS Kiss 7の10年前の機種になります。オートフォーカスの測距点は5点と年代の差は感じられます。しかし、さすがフラッグシップ機という点も多くあります。
中古での値段はおおよそ10,000円から20,000円程度になってます。値段も少し高めになるりますが、Kissからのステップアップに最適だと思います。かつてのフラッグシップ機という事でも撮影する楽しさはアップします。
使用電池はEOS-1Nの場合はグリップ内に2CR5、バッテリーパックを使用する場合は単3電池4本で運用できます。
ここがポイントです。
紹介してきたカメラの電池は一般的に聞き慣れない電池が多かったと思います。しかし、このEOS-1N DPはどこにでも売っている単3電池4本で運用することが出来ます。
パワードライブブースターE1を付属するEOS-1N HSという機種もあります。こちらも単3電池で動かすことが出来ますが、単3電池を8本も使用し、縦位置グリップのサイズになるので気軽さ、という点では少し抵抗があるかもしれません。
視野率は(ほぼ)100%です。実際に覗いてみるとやはりKissシリーズとは違ってとても見やすいファインダーです。
シャッタースピードの上限は1/8000となります。この点はさすがフラッグシップ機といった感じではないでしょうか。
ISO感度が高いフィルムで撮影した際にも余裕を持って撮影が可能です。また、スポーツの撮影にも問題なく使用できます。
残念な点、1つ目はオートデート機能がない事です。フラッグシップ機にそんな機能が必要か、という意見もあると思いますが、Kissに搭載されているのに、という意見もあると思うので念のため付け加えておきます。
※CANONで発売されているコマンドブックE1を装着すればオートデート機能を使用できます。
質量もさすがフラッグシップ。EOS-1N DPはボディとグリップで1kgを超えます。気軽さ、は少し無くなるかもしれませんがそれをもカバーする性能だと思います。
オススメしたいレンズ
CANONユーザーでなくても、より気軽に、より安くフィルムカメラにチャレンジ出来るレンズを紹介します。
CANON EF50mm F1.8 STM
現行の撒き餌レンズです。CANONユーザーだったら手にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
現行のレンズという事で比較的はっきりとした解像感の表現の作品になります。フルタイムマニュアル機能ももちろん使用できます。
フィルムカメラらしくない静かな操作音での撮影も可能です。
CANON EF40mm F2.8 STM
フルサイズで使用できるCANONのパンケーキレンズです。残念ながら最近になって生産が終了してしまったようなのでメーカー在庫がなくなると新品は購入できなくなると思います。
パンケーキレンズということでとても小さく、気軽に持ち出せるレンズです。
また、EF50mm F1.8 STMと同様にステッピングモーターを採用しているため、オートフォーカスがとても静かです。
開放F値が2.8なのも魅力だと思います。
まとめ
今回は実際に私が使用しているカメラを中心に紹介させていただきました。
私自身、旅行に行く際はデジタルカメラではなく、フィルムカメラを持ち出すようにしています。
紹介した中でEOS Kiss 7にEF40mm F2.8 STMの組み合わせで持ち歩くことが多いです。
1本のフィルムで36枚しか撮れないワクワク感。
ISO感度が決められている状況でどのように撮影するか。
デジタルカメラにはない楽しさだと思います。
今後は作例なども取り上げながら、【CANONではじめるフィルムカメラ】を紹介していきたいと思います。